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「師匠、この街ですか?」
「ユキエル、そうだよ。
とりあえず、待ち合わせの酒場に行こう」
もうすぐ昼になろうかという時間、ユキエルは、一人の男に連れられて、冒険者に始まりの街と呼ばれている都市の一つ、イズルートに来た。
通常の村や街は、魔物から、存在を隠す為に魔除けがなされて、魔物が無意識に避ける様になされているが、この都市には、魔物が入らないように、大規模な結界がはられている。
都市の近くには、発電所があり、ここに住む人達はその恩恵を受けている。
二人は、街の中に入り、酒場に赴いた。
ここの酒場は、仕事の斡旋所と宿屋が共同になっており、資料室と広い鍛練所もある。
酒場に入り、空いているテーブルに席を着いた。
二人の身なりは、共に導士みたいな格好だ。
俺、ユキエルは、黒い髪と瞳で、同じ歳位の男子と比べると、少し大きい感じである。
ローブを身に纏い、杖は無いが、左右の腰に一本づつ短剣を装備している。
「師匠、もしかして早く着過ぎましたか?」
「時間まで正確に決めてないからな。
とりあえず、適当に飲み物頼むか」
師匠は席を立ちカウンターに向かう。
酒場の扉が開き、女と少女が入って 酒場の扉が開き、女と少女が入ってきた。
少女は、青く長い髪を首あたりでまとめ、緑の瞳で少年より身長は少し低い。
両腕に小手を着け、左の腰に剣を、後ろの腰に二つに別れた組み立て式の槍を携えている。
「待たせたね」
女は師匠に話し掛ける。
「今着いたばかりさ。
飲み物を今から頼むけど、どうする?」
「お願い。ただしノンアルコールで。
あと安いランチも」
師匠はマスターに注文して、女と少女は少年のいるテーブルに着く。
「ユキエル、なんとか生きてたみたいね。
リズアルは、責任持って鍛えといたわよ」
「ユキ兄、元気してた?」
「なんとか。
何度かやばい目にあったけど。
リズは、なんかたくましくなった様な気がする」
「?
ユキ兄、なんだか声が違わない?」
「一年前くらいに、喉がおかしくなってこの声になった。
しばらくは、喋りづらかったよ」
「ユキエルは、街の中は見てまわった?」
「いえ、街に着いてすぐここに来ました」
「私達は、何軒か見てきてからきたわ」
「何か買ってきたのか?」
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