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「代金は渡したから、ちゃんと届けるんだぞ」
マスターの説明は終わったらしいが、リズアルはまだ、地図とにらめっこしている。
「さてと、じゃぁ調査の件の説明するから、これを見てくれ」
リズアルが、見ている地図の隣に、また地図を広げる。
「さっきも言ったが、モンスターが墓場まで来ているみたいでな、最近埋葬された遺体が掘り返され荒らされた。
足跡が残っていてモンスターらしいというのは解っているが、具体的に何処から来て、どんな奴なのかは、まだ解っていない」
「居場所と、なんのモンスターか調べればいいんですね」
「そうだ。
今回は調査だからモンスターを倒す必要はない。
ある程度まで調べたら報告に来てくれ。
今欲しいのは、情報だからな。
モンスターと遭遇しなくても、何か解ったら無理せずに報告に来てくれよ」
「解りました」
墓場の場所は結界の外の小高い丘だ。その場所でまずは調べる事にした。
「リズ、お先に。
師匠、行ってきます」
「ユキ兄、頑張って」
「気を付けろよ」
「無茶しないでね」
三人に見送られ、俺は酒場を出た。
途中で飲み物を買い、街を出て、1時間半位歩き墓地に着いた。 どうやら、丘全体が墓地になっていて、相当な広さだ。
とりあえず、モンスターの足跡を探す事にした。
墓地の中に入り、足元を調べる。
かなり歩き回って、ようやく足跡を見つけた。
形は猫の足跡に近いが、明らかに猫のものより大きい。
モンスターに間違いなさそうだ。
居場所を探すため、足跡をたどってみる。
墓地から出て少し離れところで、足跡がなくった。
周りをみると、先の方に林が見える。
今の風向きを考えると、墓地から風下の方にある。
しばらくして林の入り口に着いた。
空気が重たく感じ、何やら湿度も高そうだ。
奥の方は、沼地になっているのかもしれない。
足元と周りを注意しながら中に入ってみる。
林の中に進んで行くと、少しづつ周りの木が枯れかけて腐りだしている。
鳥の鳴く声も聞こえず、生き物のいる感じが無い。
「もしかして、ここの空気は……」
ふと、こちらに近づいて来る音が聞こえる。
右手にナイフを持ち、身構える。
木々の影から、体長が1メートルを超えると思う猫に酷似したモンスターが一匹現われた!。
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