謎の転校生

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「後で…覚えててね…」 貝谷は、先生が教壇の方に戻っていくのを確認すると、うっすら瞳に涙を浮かべながら、俺のことを睨んだ。 いつもこのパターンで注意を受けているのは俺だから、貝谷は怒られることに対しての耐性が少ないらしい。 その証拠に俺を一睨みすると、きちんと教壇の方を向き始めた。 それにつられて、俺も前を向く。 すると先生は、やっとクラス全員の視線が自分に集まったのを確認すると、チョークで黒板に、 ようこそ転入生! と急に書くものだから、クラスのテンションは急遽鰻上りとなった。 どうやら先生は、このためにクラス全員の視線を集めたかったようで、勿論、俺もテンションが上がる一員の一人となった。
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