謎の転校生

2/11
前へ
/90ページ
次へ
「おはよ。昨日貸したやつ読んだ…?」 「うん、読んだ読んだ。つか、まじであれ、面白かった!さんきゅっ!」 朝を無事に迎え、学校に着き、自分の教室に入ると、親友でありライトノベルを渡してきた張本人でもある、白石 駆(シライシ カケル) が話しかけて来た。 これは最早、最近恒例になって来ているため、普通の景色と何ら変わりがない。 「だろ?俺も、感情無さげな女の子の話ってのは、最初中々抵抗があったんだけど、上手い人が書いたら、あんな良作になるんだなあ…恐れいった。お前もだろ?」 そして、返答する駆。端からみたら、気持ちの悪いヲタクの会話かもしれないが、俺も駆も日頃の印象を作っているために、そんな風には思われていない。 周りを気にするが故に気持ちの高ぶるこの会話自体も、物凄く音量を下げて他人に聞こえないようにしているのだ。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加