社長の女  蟻地獄

1/1
前へ
/17ページ
次へ

社長の女  蟻地獄

洋子さんの事ばかり気にしている場合じゃ無くなってきた。 店がマズイ! 社長が何をしたのか、 ヤクザの嫌がらせが始まった! 毎日の様に、怖い人が来て、グダヲ巻く、(οдО;) もちろん客は減る一方、 それどころか、ホステスも、1人、2人と減って行った。 気付くと、社長の回りにいた、男の子達も、居なくなっていった。 ヤクザに潰しにあうとは、こいう事なのだ。 ちなみに、私も、頃合いを見計らって、辞めた事は、言うまでもない。  そして、私は、洋子さんの勤めるお店で、懲りもせず、バイトを始めた(^o^; 衝撃的だったのは、このすぐ後。 社長は、詐欺の容疑で捕まった。 店の方は、程なくして、夜逃げ同然に無くなった。 洋子さんと社長。 まだ、続いていた。 毎日手紙を書いていたようだ、 面会もしていたらしい、 『出てきたら、客室に露天風呂の有る、温泉に行くの』 洋子さんがうれしそうに話していた。 馬鹿だと思った。 洋子さんの勤めるお店にも、ヤクザが来た、 ヤクザにしたら、洋子さんは敵ではない。 ある意味、同情していた。 『あんな男に騙されて、オレがなんとかしてやるぞ』 『お前には何もしないから安心しろ』 等々 嫌みとも、慰めとも取れる言葉を掛けていた。 まだ、洋子さんがあの男を信じてるとも知らないで。 その度に、洋子さんは悔しくて泣いていた。 馬鹿だと思った。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加