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社長の女 雲行きが…
しかし変化が出てきた。
洋子さんの体にアザがある、しかも、一週間と空けず、新しいアザが出来ている。
聞くに聞けない。
確かに、店は暇になっている。
そりゃそーだろう、ヤクザがヤッテマス!感ありありだもん~
経営厳しいんだなぁ~
洋子さんに八つ当りかぁ
しかし、彼女の事態はもっと深刻だった。
社長ってヤツは、他にも会社を経営していた。
そちらの雲行きも怪しかったのだ。
洋子さんの口から、
『手形が落ちないって』
手形??
25歳の口から出るか普通!
彼女は社長にお金を貸しているらしかった。
『オレの成功がお前の成功!お前の借金はオレの借金!今に離婚するから、ふたりで頑張ろう!』って、 洋子さんはその言葉を信じていた。
え~駄目でしょ~
ジャイアンじゃあるまいし
しかも、経営不振じゃ、洋子さん、かぶっちゃうよ~
とは言えず、見守る事にした。
洋子さんは店に出る回数が減った、
『店に出てる洋子を見るのが辛い』
社長が焼きもちを焼くのだという
怪しい!実に、怪しい!
それから2ヶ月もした頃、洋子さんは、社長の知り合いのやっている、スナックで働く事になった。
『人出が足りないから、手伝ってほしい』そう社長に頼まれたと言っていた
私が見たところ、こいう事だ。
店に出ても、バイト代が貰えない、借金の返済が有る、他でバイトするよりしかたがない。
てな理由だろう。
お小遣い稼ぎのはずの、夜のバイトが、
借金返済の、本気のバイトになってしまったのだ。
確かに、半年前の彼女は、若いのに、5000円や10000円の化粧品をポンポンと買っていた。今は、来店すらしていない。
そして、私が入店時、洋子さんは、『社長から買って貰ったの』と、よくスーツを自慢していた。
趣味の悪い、ヤクザが好みそうなデザインだった
(^o^;
それも、今は無いようだ。
彼女の人生は、確実に下り坂だと思った。
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