1人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい!お兄ちゃん起きろ!遅刻するぞ!!」
ん、、、なんだよ、、、妹か、、、
「お兄ちゃん!!おいコラ!おいてくからね!」
「・・・おい、葉流。主役の俺をおいていってどうする、、、」
俺は眠気が覚めないまま体を起こして伸びをした。
こいつは妹の葉流。
小さい頃から、俺を叩き起こす係になっている。
高1にもなって、高3の兄貴の部屋にずかずか入ってくるとはいい度胸じゃねーか、と毎回思っている。慣れたが。
「は?主役?何の話?」
「だって今日は俺の卒業式だろが。」
妹はきょとんとした。かと思うと、
「は?何寝ぼけたこと言ってんの?今日は終業式でしょ?あたしもう行くから。
いってきます!」
とか言って、爆笑しながら俺の部屋を出て行った。
・・・。
・・・え?いや、寝ぼけてるのはお前の方だろ。
そう思いながら俺は自室のドアを開けた。
その瞬間、
「うわ!?暑!!」
じめじめとした暑さと、日の光。なんだこれ?異常気象か?夏かこれ。
今日は卒業式だよな。暑すぎだろ。卒業式ってまだ若干寒さが残る春の行事じゃなかったのか?
俺はドアを閉めて自室をうろうろしていた。
さっきまでクーラーのかかっていたらしい俺の部屋にいたから気付かなかった。
でも、明らかにドアの向こうは暑い。
窓を開けてみた。
「うわ、、、」
案の定、というべきか、驚くことに、というべきか、じめじめした日本の夏の暑さが俺にぶつかってきた。
「どういうことだよこれ、、、」
とりあえず落ち着け、俺。
どちらかというとオカルト好きな俺はこういう不思議体験の耐性はあるほうだと思う。
とかいっても全く落ち着いてないが。
とりあえず制服に着替えることにしよう。
妹曰く今日は終業式らしーじゃねーか。
いつも制服がかかっているハンガーラックを見ると、そこには冬服の姿はなく夏服がかかっていた。
最初のコメントを投稿しよう!