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朝のSHRが終わり終業式。
校長の話なんて上の空でずっと考えていた。
もし、戻らなかったら俺はもう一度、高3の夏休みから人生をやり直すのか?
折角受験が終わって開放感に満ち溢れていたというのに、、、
というか、そもそも何故、起きたら夏に戻っていたのか。
しかも時間の感覚がおかしいのは俺だけときている。
・・・。
正直やり直せるなら少し嬉しい気もしていた。
勿論、元生きていた時間に戻りたいとも思う。
昨日の夜まで俺は不安だった。
いつもあたりまえだと思っていた日常が変わってしまうことが寂しい気がしたし、出来ることならずっと高校生のままでいたいとも思った。
やり残したことも沢山あったと後悔もしていた。
俺は隣の列の数人前にいるあの娘を見た。
いつも後ろ姿だけでも見ているだけでどきどきしたし、授業中なんかも頑張ろうって思えた。
あの娘と付き合えたら、、、なんて思っていたが、結局思いは伝えることが出来ず卒業を迎えようとしたのだ。
もし、やり直しが出来るなら。これはチャンスじゃないのか?
そんなこんなでいつの間にか修業式も終わり、もう一度受け取るはめになってしまった成績表を受け取った。
ちなみに案の定、俺が数ヶ月前に受け取った成績と変わっていなかった。そして同じく絶望した。
そして、友人数人と騒ぎながら帰路に着いた。
友人と別れて家まであと少し。そんな時、俺は気付いてしまった。
「あ、成績表学校の机の中だ、、、」
こんな暑いのに最悪だ、、、とか思いながら、ふと、俺は気付いた。
確か数ヶ月前の俺は、成績表を忘れていなかった、と。
記憶は曖昧だが、確かそうだった気がする。
まぁいいや。
俺は暑いのでたらたら漕ぎながら学校へ戻った。
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