卒業式前夜祭

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卒業式は本当にあっという間だった。 女子なんてぼろぼろ泣いてるし、まさか遥希が泣くとはな。まぁ、俺もうるっとはきたが。 卒業式が終わって友人たちと記念撮影したりした。 あと少しで、、、俺はこの高校を出なきゃいけない。 そうしたらもう、戻ってくることはないのだ。 楽しかったな、ほんと。言葉に出来ないくらい。 その時、ふと、季冬さんが目に留まった。 あ、、、季冬さん、、、。 そうか、あれは結局夢だった。 結局この1年間同じクラスでも、季冬さんはただのクラスメイトとして終わってしまった。 後悔している。 ・・・でも、もう遅い。 そしてとうとう校門を出た。 ふと、思い出が頭をよぎる。 3年前、期待と不安に満ち溢れながら通った校門。 夏休み、友人と騒ぎながら通った校門。 楽しかったな、、、ほんと。 「木山さん!」 えっ? 思い出に耽っていると突然後ろから名前を呼ばれた。 振り向くと、 「季冬さん、、、?」 まわりの友人はにやにやしながら俺を見ている。 「あ、、、あの、、、その、、、」 季冬さんは少し頬を染めた。 「第二ボタンください!」
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