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(ラッキー!)
小さく指を鳴らす。
思った通りベランダの窓が少し開いていた。
この家では猫を飼っていて、自由に出入りできるようにと夜の十一時まではいつもここが開けてある事を未央は知っていたのだ。
(でも、いくら猫のためとはいえ不用心よね。泥棒が入ったらどうするつもりなのかしら?)
頭の中で呟きながら中へ入り、リュックのベルトからペンライトを外して辺りを照らし、グルッと見まわす。
途端に壁際の飾り棚の所で何かがキラリと光った。
(なんだろ?)
何となく目を惹かれ、思わず近付く。
それは――
分厚いガラスのケースにしっかりと覆われ、静かに眠っていた。
ライトを当てると七色の光を辺りに撒き散らし、輝いた。
(うわぁダイヤモンドだ。綺麗……ガラスの箱なんかに入っちゃって、まるで白雪姫ね。でもいいな。こんなの誰かプレゼントしてくれないかな)
思わず手を伸ばし、箱に触れる。
出来れば手にとってもっと近くで見てみたくなり、未央はガラスの箱を動かしてみようとした。
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