MISSION 1 ― 出会った二人 ―

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. 「さてと―― 明日は仕事も休みだし、帰ってビデオでも見ながらゆっくりビールでも飲むとするか」  独り言を口にして、運転席に座る。  煙草を消してドアを閉め、ロックしようとした途端――  助手席のドアが勢い良く開いた。  そして、まるで電車に駆け込み乗車でもするように、見た事もない若い女が乗り込んで来た。  当然のように男は目を見張った。 「えっ――?」 「車出して!早く!」  その女が後ろを振り向きながら叫ぶ。 「出してって―― あんた誰?」 「いいから早く!私を殺す気?」 「殺す !?」  思ってもみない言葉に驚いて声をあげた瞬間、パン!と音がして後部座席横の窓ガラスが吹き飛んだ。 「な―― 何だぁ !?」 「早く!あなたを巻き込む気は無いから!」 「もう十分巻き込まれてるよ!」  しかし、突然現れた疫病神にここで文句を言っていても、「じゃあ他の人にとり憑きます」とは答えてもらえそうに無い。  それどころか、更なる災いに見舞われるだろう。 「早くして!」 「何で俺がっ!」  急かす女に文句を言いながら、男は急いでエンジンを掛けて車を急発進させた。 .
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