MISSION 1 ― 出会った二人 ―

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. 「―― 怪我はないか?」  港を後にして湾岸道路に戻ると、千聖が声を掛けた。  未央はシートに深く腰掛けて、静かに座っている。  さっきまでとは別人のように大人しくなり、まるで借りてきた猫だ。 「どうした?」 「なんだか力が抜けちゃって……。車ごと海におっこっちゃったかと思った」  返ってきた答えに千聖がフッと笑う。  自分の運転の腕前を知らないのだから、そう思われて当然だった。 「俺に任せろって言っただろ?」 「うん―― 任せて良かった」  未央はそう答えると、やっと微笑んだ。  それから思い出したように言葉を続けた。 .
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