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カーテンの隙間から差し込む陽射しに瞼をくすぐられ、うっすらと目を開く。
ベランダに置いた手作りの餌台に、小鳥が集まって餌を啄んでいるのだろう。
窓ガラスのすぐ向こうから、時おり囀りが聞こえる。
いつもと同じ爽やかな朝だ。
千聖は横たわったまま頭の上に両手を上げ、ウゥーンと大きく伸びをした。
(それにしても、昨夜の夢はずいぶんリアルだったな……)
寝返りを打って横へ伸ばした手に何かが触れて、思わずキュッと掴んだ。
(柔らかい……何だ?)
確かめるように、もう一 ・二度掴む。
(いい感じだ……)
心地良いその感触に、それが何なのか確かめようとふっと目を開ける――
すぐ横に、誰か寝ているのが見えた。
(―― うん、寝ている。寝て――)
「え?―― う……わぁあああ!」
途端に千聖は声を上げ、ベッドから転がり落ちた。
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