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「ちょ……ちょっと待て――」
(昨夜は【ゴールデン・ディアー】を手に入れて―― そうだ、車に乗ったら助手席に若い女が乗り込んで来たんだ。それで車に追われて、そいつを港に沈めてやった。それからここへ戻って来て――)
「あっ――!」
思考を巡らせていた千聖は、急に大きな声を上げて立ち上がった。
「思い出した!何であんたがここに居るんだよ !? それに変な道具で人を眠らせて、いったい何をしたんだ!」
「あれはネットで買った、護身用の麻酔銃よ。だって泊めてくれるって言ったじゃない」
事も無げに答えた少女―― 否、未央に益々カッとなり、千聖は声を荒げた。
「だからって何で麻酔銃なんて―― それより、泊めてやるなんて言ってない!」
「言ったわよ、『ああ』って」
「あれはあんたに乗せられてつい――」
「『つい』何なの?」
大きな瞳がじっと見つめている。
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