MISSION 1 ― 出会った二人 ―

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.  それでも一応、響の要求は受け入れられたという事で――  取り敢えず、二人は薄暗い公園のベンチに腰掛ける事になった。  まずは話しのきっかけを作らなくてはならない。  ああでも無いこうでも無いと思考を巡らせた結果、響はさっき見た映画の話しをすることにした。 「映画、どうだった?」 「どうって?響はどう思ったの?」 「俺?」  逆に問い掛けられて考え、まずは当たり障りの無い返事をしておく。 「俺は―― まあまあだったかな……」 「私はとても面白かったわ」 「そ、そうだよな。面白かったよな」 「だけど……」 「だけど?」 「今一だった部分もあるわ。主人公が好きな女性に気持ちを打ち明けたとき――」 「うん、あの台詞ちょっと臭かったよな」 「台詞は良かったんだけど」 「臭くて良かった……」 「そのあとのヒロインの表情が良くなかったわ」 「涙流して喜んで……」 「笑ってたのが」  未央の大きな目で見つめられ、響は口元を歪めて黙り込んだ。 .
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