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‥‥‥‥
「ま、参りました……」
打ち合いのし過ぎで少し痺れた手を上げながら、私は降参する。
「何だ、男がこれくらいでへばっちまうのかぁ?
漓遠って体力がねえなんだな~」
「し、新ぱっちゃんが体力ありすぎなんだよ……っ」
荒い呼吸を整えながら反論する。
私がどんなに打ち込んでも、新ぱっちゃんは涼しい顔で弾いてた。
今も余裕…というか、まだやり足りないって表情。
体力馬鹿なのか?
「それにしても、漓遠ってどこの流派なんだ?」
「心形刀流だけど……」
一刀だけでなく二刀や居合い、小薙刀も伝授する心形刀流。
私はそこの目録だ。
免許皆伝は、あと一歩ってところだったんだよね。
「ほ~。じゃあ、二刀も得意なのか?」
「どっちかといえば得意だけど、私としては一刀の方がやりやすいな」
刀二本なんて、重くて振り回せません。
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