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重くて大刀を二本も持てないと言えば、新ぱっちゃんは朗らかに笑う。
「漓遠は貧弱だからなぁ!」
「ぐはぁっ」
『貧弱』という言葉が心に突き刺さり、胸を押さえる。
私だって、新ぱっちゃんみたいな力が欲しかったよ!
……いや、一応女だから、新ぱっちゃんみたいな筋肉ムキムキの体はいらないけどね?
「さてと、そろそろ朝飯の仕度も終わっただろうな。
漓遠、井戸で汗流してこい。木刀はしまっておくからよ」
「えっ、駄目駄目!
組長に私の分の木刀まで片付けさせるなんて!
私が片付けるから、新ぱっちゃんが先に行きなよ」
「えっ、でもよ……」
何か言いたげな新ぱっちゃんの言葉を最後まで聞かず、私は新ぱっちゃんから木刀を奪い走り去る。
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