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俺は昨日眠ってないせいか、テンションが高く、バラリアを引いて歩くスピードも早くなり、四時間程でランダートに到着した。
バラリアは街の入口に繋ぎ、街へと足を踏み入れる。
街の建物の窓ガラスが日の光を反射して、ちょうどバラリアに当たっている。
「思ったよりも早く着いたな~! とりあえずご飯、ご飯!」
出会った当初は、クソ生意気で、人差し指立てながらえらそうに解説する、うるさい妖精だったウィン。
その印象もまだ残っているが、今では違った印象の方が強くなった。
ウィンは結構食い意地が張っている。初めの頃は、俺がウィンにあまり興味を持たなかったせいか、気付いてなかった。
今では、食う、寝る、遊ぶの無邪気な子供にしか見えない。
「あぁ、待てよ。あんまり金ないから、安いのにしろよ?」
そう言いながら宿屋の近くの店へと向かった。
「あれ? 何かあったのかな?」
そう言って左を指差すウィン。
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