~召喚の日~

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ウィンをKOしたアイラがこちらに向かってくる。 次は俺が……。 「アタシたちはとりあえず良かったんだけど、他で良くないこともあったんだ……」 アイラの表情が曇った。誰かの身に何かあったのだろうか? 「何かあったのか? それに、あの騒ぎも気になる……」 ウィンの言葉に頷き、俺とウィンはアイラの言葉を待った。アイラの表情から察するに、良いことじゃないのは確かだ。 「あの騒ぎはね、昨日の夜中に、この街の賢者のところに何者かが侵入して、賢者と弟子、その妖精までさらってどこかへ消えたらしい……。賢者の弟子と妖精、それってリリアたちでしょ?」 俺とウィンはそれを聞き、愕然とした。一生懸命修行して、待っていてくれたエミとリリア、それに賢者のおねーたままでもが、何者かにさらわれた……。 「この街の賢者の弟子っていったら、間違いなくエミ、その妖精はリリアだ……」 「賢者も一緒に居たのに、その賢者も含めて三人をさらって逃げたのか? 賢者はかなり優秀な魔言師、エミはその弟子だぞ? そんな簡単に……」 ウィンの後に続いて驚きを口にしていたが、ここまで言った俺はその場に崩れ落ちた。
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