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ここが私達の世界じゃない…?
どういうこと…?
あいりも同じ気持ちだったのだろう。
私よりも先に
「私達の世界じゃないって、どういうこと?」
と聞いた。
「ここはルーランド国にゃ。」
ルーランド?そんな国、あったっけ?
あいりの方を見ると、あいりも首を傾げた。
「…。君たち、理解してないのにゃ…。」
子猫は、またガックリとうなだれた。
「だって、ここはさっきの裏山でしょ?」
私が言うと、子猫は顔をあげ、一言「違うにゃ」と言った。
「違う…?」
「だから、ここはルーランド国にゃ。ルーランド城の裏にある森にゃ。」
ますます私達の頭に疑問符が飛び交う。
子猫はちょっと考えて、「ついてくるにゃ」と歩きだした。
私達はそれに従った。
ほんの数分歩くと、崖のように切り立った場所へと出た。
「あれを見るにゃ。」
子猫が左側を手でさした。
そこへ視線を移し、私達は絶句した。
…………城!!
でかい…!!
初めて見るお城に、私もあいりも言葉を失う。
私達の場所からそんなに離れていないため、そのでかさが半端なく、それはまさに壮観だった。
ただただ、私達は圧倒されていた。
そんな私達を見て
「あれがルーランド城にゃ」と子猫が言った。
その言葉にハッとした。
「え…、ちょっと待って!え…!?ここ、どこ…?」
さっきから子猫が何度もここはルーランド国だと言っていたが、ここが私の知ってる裏山じゃないと理解した途端、頭が真っ白になったのだった。そう言うのがやっとだった。
あいりは、まだお城をポカンと見つめている。
「だから、ここはルーランド国にゃ。」
子猫が、しっかりした声で言った。
「ルー…ランド…国…。」
呆然と、子猫の言葉を繰り返し、そしてそこから見える景色を再度一望した。
城からちょっと行くと町があるようだった。
城の周りは木々に囲まれていて、城からの道がその町の方へと続いている。
その景色は、私にとって全く見慣れない、映画の中のような景色だった。
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