異世界へ…

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目の前に広がる景色はどう見ても沖縄、いや、日本ですらなかった。 外国に来てしまったのだろうか…とも思ったのだが、ルーランド国なんて聞いたことがない。 でも、外国ならまだよかった。だって、外国なら同じ【地球】にあるのだから… 子猫の口から出た言葉に、再度私の頭は真っ白になったのだった。 「ここは、君たちの住む世界とは全く違う世界にゃ。あの【空間をつなぐ穴】で一時的につながってたのにゃ。」 「どういう…こと?」 心音が早くなるのが分かった。 「…リルルが悪かったのにゃ…。」 私の言葉に、子猫はうつむいて言った。 「リルルがもっと気をつけていればこんなことにはならなかったにゃ…」 子猫は相変わらずうつむいている。 リルルとはこの子の名前なんだろうか…。 「でも、さっきの【空間をつなぐ穴】…だっけ?それをまた繋げば良いんじゃないの?」 私達の会話を聞いていたあいりが言った。 「あぁ!そうだよね!そう、またあの穴を開ければ私達帰れるじゃん!」 あいりの言葉にホッとしながら私が言った。 「それが…ダメなのにゃ…」 ぽつりと子猫―リルルが言った。 「え…?どうして…?」 「あの穴は、一度閉じるとしばらくは開かないにゃ…。リルルがまだ未熟だから…」 「え?意味が分からないよ?」 私の言葉に、リルルは顔をあげて 「リルルの空間移動の力であの穴をあけたにゃ。でも、リルルの力はあまり強くないにゃ。一度移動する力を使うと、次に使えるようになるのは数ヶ月かかるにゃ…。」 「す…数ヶ月!!!?」 数ヶ月って…そんな… 今日は金曜日だったから、明日明後日は休みだからまぁ良いとして… いやいや、今日帰らないとお母さんが心配するし… あいりまでも行方不明ってなってしまったらそれこそ大事になってしまう…! どうしたらいいのかわからなくて、ついその場で右往左往してしまう。 そんな私を見ていたあいりが 「ちはや、ちょっと落ち着いて。」 と、やけに冷静に言う。 いや、あんただって落ち着いてる場合じゃないでしょ。と思った。 後にあいりが言っていたのだが、私があまりにもうろたえていたので、逆に冷静になれたのだそう。 「数ヶ月って、だいたいどれくらいなの?」 あいりがリルルに聞いた。 「早くて2ヶ月くらいにゃ。長くて6ヶ月くらいかかったこともあるにゃ。」 その言葉に、さすがのあいりもちょっと考えこんだ。
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