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「ねぇ、キミ」なんて声をかけられて、でも、最初は自分じゃないかと思った。
「ミソメ、アナタのことだわ」なんて、同室の友人ライラが私を小突く。
「…はい?」
朝食をテーブルに置いてから、振り向いて驚いた。
この前廊下で見た、あのグループの人たちだ。
「や……やぁ、ライラ」
ちょっと体格のいい方の人が、ライラに向かって挨拶する。
それをライラが「どうゆうつもりなのかしら?」とキツめにお返し。
多分ライラは私を気遣ってくれてる。
私がこうゆう唐突な交流を好きとしないことも分かってくれているんだ。
「そう怒るなよライラ。ほら、ジャパニーズなんて珍しいだろ?だから挨拶しに来たってことさ」
「ようこそ。マスカロンへ」とちょっとキザっぽく言って頭を下げてくるのは細くて背の高い人。
私はどうしたらいいのかサッパリで、「あ…はい」なんて、思いっきり日本人っぽい反応。
「オレ、ケビンって言うんだ。こっちの太っちょはジョル。かれこれココには2年近くいる。キミの名前は?」
「………み…ミ…ソメ・コガ」
あまりの驚きように、上手く自分の名前さえ言えなかった自分に、かなり恥ずかしくなった。
「ほらほらっ!!完全に怖がられてるわよアンタたち。名前聞けたんだからもういいでしょ!」
ライラが2人を無理矢理追っ払ってくれる。
ライラ、感謝!
それを聞いて渋々帰ってゆく2人。
ジョルは心配そうな顔をしながらライラと私に手を振っていた。
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