自由を生きる街

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白人 黒人 黄色人 ありとあらゆる人種の人たちが私を追い抜かしてゆく。 ここの人たちの歩く早さは、東京よりも早い。 みんな居場所を求めてるみたいに、先を急いでいる。 大学帰りの私は、何度も人とぶつかりながらも、通行人がひしめくストリートを歩く。 孤独は感じない。 だってみんな他人だ。 この街はそう…みんな、自分の世界を自由に生きてる。 アメリカに来て、1番最初に思い知ったのがソレだった。 ヘタな馴れ合いも 愛想笑いも 曖昧さもない世界。 「………雨」 鼻先に落ちた雫。 何気なく日本語でつぶやくと、私を追い抜かしついでにオバサンが顔を覗いてきた。 決して、いい顔はされなかった。 孤独は 感じない。
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