―夢―

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もう一週間くらい寝ていない。 ずっと考えていた。 考えた結果、罪を犯す事しか浮かばなかった。 何があっても罪人にはなりたくない。 恨みを晴らすだけでそんな奴らと一緒になりたくない。 殺人なら証拠を残さないければ捕まることはないかもしれない。 そんなことばかり考えてた。 殺すとしたらその後のことも考えなければならない。 「いい加減職に就いたらどうだ。男としてニートは恥ずかしいぞ。」 父さんに怒鳴られた。 今までにないくらい怖くて真剣な目をしていた。 どうせまた自慢するために良い所に就いて欲しいだけだろと思った。 気づけばもう少しで19歳になる。 高校卒業して一年近い。 ずっと部屋にこもっていたせいか、頼は髪も髭も伸び放題でやせ細っていた。 ご飯も食べずに考えていた。 『今考えてんだよ。自分はどうしたら幸せになれるか。』 「だがニートが幸せかと言ったらそうじゃないぞ。」 内心、確かにそうだと思った。
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