嵐と呼ぶには大袈裟だけど、青天の霹靂と言うには相応しく

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  考えてみれば、あいつが怒るのって、全部俺が原因なんだよな 一番最近の記憶でもそう その先輩と別れた時のだって、ずっと前から俺のことが好きだったってんなら、あいつが怒るのも当然だよな 俺はあんなに好きだった先輩をアッサリと裏切って、捨てて あいつはそれをどんな気持ちで隣で見ていたんだろうか 俺に対して怒りをぶつけながらも、悲しい目をしていたのはそのせいだったんだろうな 本当の気持ちを言いたいのに、言えない 俺があいつに対して、理解したいのにできない寂しさがあったように あいつは俺に対して、理解してほしいのに言えない寂しさがあったんだろうな そう思えば、すべての違和感がなくなった さっきもそう、きっと勇気を振り絞って俺に好きだって伝えたのに、俺は一人で混乱して自分のことばかり考えていて だから、怒りながらも、あんなに悲しそうな目をしていたんだろうな なんか、あいつの抱えていたものに比べたら、俺の不満なんて、ただのワガママみてぇなもんだよな (俺って、小っせぇ…) だけど、ようやくあいつのことも理解できたし、また今まで通りにしていけばいいんじゃねぇの? なんか前よりもっと分かり合える分、友情も深まるってもんでしょ やっぱり、あいつのこと好きだし…… 好き……、あれ…? (…なんか、また、大事なこと忘れて…) …………、 ……………―あ゙あっ!! だから、あいつは俺のことがマジで好きなんだってば! (ああ~…、ど、どうしよ―…) 解決したようで、何も解決してねぇよ 友情確かめ合ってどうすんだよ あいつが俺に対して持ってる感情は、友情じゃなくて…… (……友情じゃねぇ、のか…) なんか、それも切ない気がするのは、俺の勝手なのかな…?  
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