嵐と呼ぶには大袈裟だけど、青天の霹靂と言うには相応しく

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  「俺と、つき合って」 「……はあ?」 それは突然、何の前触れもなしに告げられた、親友からの言葉 「や…、え?意味、わかんね…」 思い起こせば、かれこれ五年ぐらいのつき合いで 高校二年の春に同じクラスになり、たまたま席が隣になったことがきっかけで 何かと気も合うし、一緒にいて楽だし、なんとなくそのまま同じ大学に進学して、同じ学科を専攻して 相変わらず、一緒にいるわけで 親友と呼ぶには十分な期間を共に過ごしてきたし、お互い一人暮らしだから常に互いの家を行ったりきたりなんかして 今や誰よりも長い時間を共に過ごしていて、お互いのことなんか知り尽くしていると思っていた それ故に感じる、安心感 何も言わなくても分かり合えていると、互いに互いを裏切ることは決してないだろうという、根拠のない自信が芽生えるほどの長い時間を共有してきたんだ それなのに…… 「俺、実はゲイなの、お前、知らなかっただろ?」 「…は…?」 「今更びっくりだと思うけど、もう隠してもしょうがねぇし」 「や…、つい一昨日二人でナンパしに行ったよな…?」 「あ―…、まぁ、それはそれみたいな?」 「ちなみに、お前一人だけゲットして、俺を残して消えたよな…」 「まぁ、俺はかっこいいし、可愛いし?仕方ないよな」 「………、」 「あ、もちろんお前もかっこいくて可愛いよ?中身がアレなだけで」 マジふざけんなふざけんなふざけんな…… なにこの会話 結局こいつは何をどうしたいわけ? 確かに見た目はかなり綺麗な顔したイケメンで、俺だってそこそこだと思ってるけど、お前にはかなわねぇよ だけど、中身がどうこうっていうのは、むしろお前の方だろ? いつもそう、いまいち何を考えてるのかわからなくて、常に一段高いとこから俺を見下ろして不適な笑みを浮かべてる 長年親友やってきたけど、そこがお前の唯一気に入らないとこで、その笑みを見るたびにムカムカするんだよ  
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