嵐と呼ぶには大袈裟だけど、青天の霹靂と言うには相応しく

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  なんていうのか、俺が知らないことをお前は全部知っているんだという焦りっていうのか その笑みを見ると、自分がお前のことを理解しきっていないんだという焦燥感?みたいなのを感じるんだよ こんなに一緒にいるのに、お前は俺にすべてをさらけ出していないのか? そう思うほどに、募る苛立ち 俺はお前にすべてを見せてるのに (お前のそうゆうとこがダイッキライ…) だけど、それすらも俺のワガママで子どもじみた感情なのかなと思うこともあって その、たまにあいつが見せる不自然な距離感の理由を、ずっと聞けずにいた 「……なぁ、聞いてんの?」 「…は?」 「は?じゃねぇよ、俺の話、ちゃんと聞いてる?」 「あ―…うん、…なんだっけ?」 「ふっざけんな!!」 ああ、そうそう、なんだっけ? 色々考えてたら、なんの話してたか忘れちまったよ こいつがなんか大事な話があるから…なんて急にかしこまって話だしたりして 俺もその普段とは違う態度に妙に緊張なんかしちゃったりして あいつがスッと息を呑んだ瞬間、今までに見たことないような、真剣な眼差しで見つめられて その、いつになく綺麗な切れ長の瞳に捕らえられ、俺は金縛りに合ったように動けなくなっていたんだ (はじめて…、こいつに対してこんなにキンチョ―した…) そうして告げられた、言葉 「だから、俺とつき合って?」 「……はああ?」 「…これで二回目、これ以上すっとぼけるのは許さねぇから」 「いや…、あの、…え…?」 すっとぼけるとかじゃなくて 別に全然、わざとはぐらかせようとかいうつもりはなくて ただ、本当に、頭がついていかないっていうか…… (…なにが、どうなってんだ…?) あまりに突然の予期せぬ出来事に、思考回路がパンクしそうだ  
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