嵐と呼ぶには大袈裟だけど、青天の霹靂と言うには相応しく

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  こいつのことなら、なんでも知ってると思っていたのに 俺の知らないことなんか、ないと思っていたのに 「…今まで隠してて、ごめんな?」 「…―っ!」 そうなんだよ こんな大事なこと、こんなに長い間秘密にされていたことが悔しくて仕方がないんだ こいつがゲイだろうがオカマだろうが、そんなことはどうだっていい 友達なんだから、それくらいはどうってことないちっぽけなことなんだよ ただ、俺は、それを知らなかったことが許せないんだ 知らなかった自分を、教えてくれなかったこいつを、俺は許せないんだ 俺たち、親友だろ? 隠しごとなんか必要ねぇよ 俺はお前のすべてを理解して、お前は俺のすべてを理解してほしいんだ それでいいじゃん だから、絶対引いたりなんかしねぇよ それもひっくるめて、俺たち友達で親友だろ? (うんうん、そうだよな) なんだか、一人でグルグル考えた末に答えが出たような気がして 色々忘れている気もするけれど、とりあえずはスッキリとした気持ちになって、親友の手を握りしめた 「今まで気づかなくてごめんな!でも俺、べつにそおゆうの気にしねぇし!」 「…そう?」 「ま、びっくりはしたけど…、お前はお前だし、変わんねぇよ」 「…ありがと」 「でも、そっか―…、あ、じゃあこれから一緒にナンパとかしてくんねぇの?」 「あ―…、まぁ…」 「あ、お前は相手が違ぇから逆にかぶんなくていいか!」 「………」 「ははっ…、…ん?どした?」 「ハァ…、お前さぁ~…」 「??」 色々スッキリして気持ちが軽くなったせいか、先ほどまでの気まずい空気を打ち消すように俺は一人でベラベラと喋り出したけれど あいつはまだ吹っ切れないような難しい顔したままで しまいには、大袈裟すぎるほどに、大きな溜め息をついた  
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