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「契約者にはこの世界に蔓延る次元の歪みの探索や捕獲、修正など実務的な事がメインになると思う。願いは…、まだ決まっていないようだから」
「その…次元の歪みとやらを探索していると事は、さっきの話で何となく分かったが…。捕獲って何だよ。動き回るのか?」
「うん。次元の歪みは大きく分けてイロージョン(浸食)タイプとモンスタータイプが存在します。更に細かく…、私たちの魔法と同様に個々で火・水・風・地属性、そして光と闇。また、どれにも属さない無属性などがあるの。」
「まるでRPGだな…」
俺にとって、ルナの話の感想はそれしか浮かばなかった。
自分の身に起きた事。突然現れた少女に殺されたかと思えば、何故か生き返っていつの間にか契約者になっていた。
ほんの数時間でこれだけの事が起きたのに、既に平常心でいられるのが不思議でならない。いや、寧ろ退屈な日々を変えてくれる何かを期待していた故か。
「面白ぇ…」
気が付けば俺はにやけながらそのような事を口走っていた。
「え…?何が?」
ルナは不思議そうに見つめてくる。何が面白いのか理解出来ないようだ。しきりに俺の表情気にしている。
俺は待っていたのかもしれない。こんな非日常的な状況を。未知なる力との遭遇を。
「ふふ…ふはははは…。良いぜルナ。お前の頼みを引き受けてやるよ。契約者とやらをな!!」
思わず高笑いをした俺は今、歓喜に満ちていた。
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