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1.出逢い -Contact-
世界には…、誰も知らない事が山ほどある。
世界には…、分かっているつもりでも納得いかない事は砂の粒ほどある。
世界には…、常識では計り知れない事など星の数ほどある。
もしもこの世界を外側から見られるとしたら、俺にも少しは理解出来るようになるのだろうか?
そんな哲学にも似た疑問を抱いて早数年。あの日ほど“運命の出逢い”という言葉が似合う日は無かった。
―あなたは何を求め、何を知り、何に抗うの?―
「……?」
それは突然…
―あなたの願い…、一つだけ叶えます―
初夏の予感を思わせる、夜の繁華街を歩いていた俺に響く声。
時は日付が変わる少し前。行き交う人で喧噪としているはずなのに、確かにそう聞こえた。
「誰だっ!?」
まるで脳内に直接響いてくるような声の主を探す。
―こっち…―
先ほどよりも近くに声を感じる。確信を得た俺はその方向に振り返った。
すると、2~3mほど離れた場所に俺より少しばかり年下と思われる少女が佇んでいた。
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