プロローグ -Prologue-

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2.少年と少女 -Boy meets Girl- 俺の名は榛原大空(はいばら そら)。 年齢は17。短い茶髪と三白眼、そして170cm台後半の身長を持つ。自慢じゃないが腕っ節にはそこそこ自信がある。現に地元の不良達の間では、“紅竜の榛原”などという通り名が付いたくらいだ。 そんな俺に話しかけてくる者など学校の担任や両親、そして妹を除いて他に無かった。 故に退屈な毎日を過ごしていた俺にちょっとした変化が訪れたといえるであろう。 この時はまだその程度だと思っていた。 早速俺は、声の主である少女に話しかけみる事にした。 「…お前が、……呼んだのか?」 この少女、良く見ると亜麻色の肩に少し掛かる程度の髪に青い瞳を持つ。そして顔立ちは欧米のそれを思わせ端正であり、見た目は中々可愛いらしい印象を受ける。身長は、145~150cm程度だろうか。いかにも怪訝な表情をしているであろう俺を見上げると、今度は目線を合わせてもう一度『あなたの願いを一つだけ叶えます』と言った。 「願いなんざねぇよ。中坊(ガキ)はとっとと帰れ。」 俺はキッと睨みつけて少女に家に帰るよう促す。 しかし少女は怯えるどころか、逆にこっちに向かってくる。そして『でしたら願いが見つかるまでキミの側に居る』とピッタリくっついて離れようとしない。 「おまっ、離れろバカ!!」 俺は何度も押し返す如く少女にキツく当たるが、少女の方もまるで取り憑くかのように離れなかった。
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