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失われる日常 -Lost Days-
それから数分が過ぎても少女はその場から動こうとしない。
その所為か俺も離れるに離れられずにいた。
「おい…。そろそろいい加減に…」
俺はしびれを切らし、家に帰るよう促しかけた。
「……来るっ!!」
すると、突然少女が右斜め上の方向を見て、何かに警戒する素振りを見せる。
「…はっ?来るって何が?」
俺は少女と同じ方向を見る。すると確かに空か人のようた形をしたものが降って…、って、人だと…っ!?
ガシャーンッ!!!
そして降って来た人らしき何かが、二人のすぐ右横にあるコンビニの窓ガラスに叩きつけられる。
骨が折れるような頭を叩き割られるような、そんな鈍い音を立てておびただしい量の血飛沫をまき散らしながら崩れる何か。
「ゔぅ…ぁ…っ!?」
当然その瞬間を目撃し、もれなく大量の血を浴びてしまった俺は、吐き気を催し即座に目を反らそうとする。
すると、突然誰かに腕を掴まれて左に引っ張られたかと思うと、そのまま投げ飛ばされてしまった。
「痛ってぇ…。いきなり何しやがる!!」
どうやら投げ飛ばしたのは先ほどの少女のようだが、俺は驚きより先に怒りが出て怒鳴っていた。
「あら、久しぶりねルナ。こんな所で逢うなんて、あなたもついてないわね」
しかし、その声を遮るかのように新たな声が響き渡る。
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