プロローグ -Prologue-

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5.変わる世界 -Change of the World- 「ゔっ…うぅ…」 「…っ!! 良かった、目が覚めた。」 中途半端なところで目が覚めた所為か、じわじわと来る頭痛と目眩に頭を抱えながら、上体を起こし声のする方へ振り向く。すると、目の前に心配そうな表情でのぞき込むルナの姿があった。 「を゙ぁっ!? 何だお前!!?」 余りに顔が近かったので、思わずそのまま後ずさり警戒心を剥き出しにする。 って、こいつは確かさっきから俺に付いてきた奴か。あのあと人が飛んできて、二人組の奴が現れて、俺が投げ飛ばされて…。 「あ、あれ?俺、死んだんじゃ…。それにあいつらは?」 翌々考えたらあの高さから落とされて助かるわけがない。なのに自分はここに居る。俺は自分自身に何が起こったのか分からず、戸惑いを隠せなかった。 「動かないで…。今さっきまで死にかかってたんだよ?」 すると少女、ルナは静止を促す。 「ごめんなさい。あんな事に巻き込んじゃって。自分でも迷惑なのは分かってるの。まずは深呼吸をして、それから落ち着いて私の話を聞いてね。」 俺は大きく深呼吸をしてゆっくり話を聞きつつ状況を整理をしようと試みた。しかしルナの次の発言は実にぶっ飛んだものであった。 「あの後、アイシス達が新たな次元の歪みを修正しに向かったから、安全な場所までソラを抱えて運んでから治癒魔法を試みたの。でも想像以上にソラの怪我が酷くて…、効果も芳しくなかったから病むを得ず契約を結んだの。」 はい…?今何と言った? 治癒魔法?次元の歪み?助ける為?契約? 何、また訳の分からん事を…。 ルナが発した言葉を何とか理解しようとした。しかし、それを妨げるかのように突然胸元が焼ける熱さに見舞われる。 「ゔっ…ぐ…ぐぁあああっ!!?」 俺はあまりの痛みと熱に胸を掻きむしろうとした。すると周りに魔法陣らしきものが謎の図式が展開されると、一気に光が収束して弾ける。その後何事もなかったかのように魔法陣は消え、胸の痛みも引いていった。 「っはぁ…はぁ…」 激しく悶絶し息を荒げ、その場にうつ伏せで倒れ込んでしまう。
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