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『アローか…
お前がこんなに早く起きているとは珍しいな』
『貴女がここにくるのが見えましてね、まだ顔を合わせていない新人くんに挨拶しておこうと思いまして。おや、お前ですか…?』
演習場に入ってきたのはアローさんで、どうやらエッダに挨拶をしにきたようです。
あからさまに嫌そうな顔をしているリクニスさんの横に立ち、アローさんはエッダにスッと優雅に手を出してきました
『私はアローと言います
貴方の上官とは…とても仲良くさせていただいています
よろしくお願いしますね、エッダ』
『は、はい…よろしくお願いいたします』
『お前と仲良くした覚えは無いぞ』
『ふふ、リクニスは正直ですね
そんな正直者のリクニスが私は好きですよ
では、新人くんの顔も見れたことですし私は失礼します。
エッダ、精々死なないように頑張って下さいね』
『ふんっ…虫酸が走ることをいうな気色悪い…
とっとと行け』
『ぁっ…はいアロー教官(死なないようにって…)』
アローの残した言葉に一抹の不安を残しながら演習が朝の始まりました
****************
『演習を始める前にお前に聞いておく事がある』
『は…はい』
『お前はどんな武器なら誰にも負けない自信がある?』
『なにが得意ってことですか…?
うーん…やっぱり剣術ですかね…
一応焔昭殿に教わっていたので』
『よし分かった、ではこれからの演習は剣術メインでいく』
自分の好きな剣術を学べるとあってエッダはとても嬉しそうに話を聞いています
しかしこの選択がこの後エッダを精神的にも肉体的にも苦しめるはめになったりします
『ではこれから剣術の演習を行う
内容は…そうだな、
私の膝をつかせてみろ
それが合格ラインだ』
『そ…それだけでいいんですが?』
『ああそれだけだ、かかってこい
私の演習の厳しさを身に刻んでやる』
『(剣術なら自信がある…女の人に本気だしていいのかなぁ…)』
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