焔石

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はらっぱを駆け回るこどもたち 楽しそうに笑う大人逹 いつの間にか 時間が動き出していたことに まだ幼い自分は気づいてなかったんだ ―早朝、焔村 それは毎朝、代わり映えの無い光景 いつもこの時間は 村主の焔紹殿とその長男の火焔殿の稽古の時間です 『どうしたァ!火焔! んなへっぴり腰で相手をブッ飛ばせんのかッ?』 ガンッ! 口が悪い 実の息子相手にも容赦はしない 寧ろそれが愛情だ 護る為には護られるような弱い奴にはなるな それが口癖の皆から慕われる村主殿 それが焔紹殿です 『そこだべ!……やぁああ!』 カンッ!カンッ!! そんな焔紹殿の長男であり、ゆくゆくの跡継ぎである少年、火焔殿です まだ十一歳ということもありあどけなさや甘さは有るものも 焔紹殿の厳しい(たまに度が過ぎますが)教育のお陰でこの年で跡継ぎとしての自覚をお持ちのしっかりもの少年です 『だから…甘めェっつてんだろが!!』 バキィ!! 『べふっ!』 本当に…焔紹殿は火焔殿に厳しいです(だからって殴らなくても…) 『いってえー!父ちゃん今本気でなぐったべ!』 『正面からツッコむバカ正直な攻撃しか出来ねぇテメェが悪ィ でも前より剣筋はマシになったな、よくやった』 膨れっ面の火焔殿の頭をがしがしと撫でる焔紹殿には、優しさを感じます ―ここまでは、何時もと同じ だけど時は残酷で 酷な運命へと時は動いてしまいました―
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