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部屋に入る前に鞄から鏡を取り出してもう一度髪型をチェックする。大丈夫みたい。
「すぅ――はぁ――。よし!」
深呼吸をしてこの板の向こうに行く心の準備をする。
この板は私の力では破ることはできない。でも、簡単にこの板の向こうに行く手段がある。
鞄から取り出した金属を板の穴に入れて回すだけ。
そうすれば、夏紀のもとに近づける。
これくらい簡単に夏紀との心の距離を近づけることができたらなぁ・・・。
「あ―。また鍵かけ忘れてる。」
独り言を呟き、玄関を開けて入る。
夏紀の匂いが私を包み込む。夏紀起きてるかな?
あっ、寝てる。良かった。
夏紀を起こさないように静かに夏紀のもとに行く。抜け足、指し足、忍び足っと。到着!
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