もう一度

出会い

先輩は強く言い返されたのにびっくりしたのか
一瞬大きく目を見開いて、
そして、ふっと軽く笑った。

翔「からかいにとかじゃないよ。
俺、初歩ちゃんの友達になりたいんだ。
だめ？」

初「………え？
友達になりたいって……。」

この人はいきなり何を言い出すんだろう。
初対面の人に
友達になりたい
だなんて…。

翔「いい？」

小首を傾げて
ニコニコしながら聞いてくる先輩に、
嫌とは言えなかった。

初「あ……はい…。」

その返事に
先輩はすごく安心したように息を吐き出して
私の机の上に上半身を
べたーっと着けた。

翔「よかったー。
じゃあさ、今日一緒に帰んない？
初歩ちゃんのこと色々知りたいし。」

初「今日はー……」

愛は大地君と、
友美は純也君と、
紗香と結衣は部活。

別に大した用事もなかったので
一緒に帰ることにした。

翔「じゃ、放課後に
２年の昇降口の所で待ってるね！
じゃあね。」

そう言って先輩は
笑顔で私に手を振りながら
教室から出ていった。

それを待っていたかのように
タイミング良く愛が戻ってきた。