出会い

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そこからは自然と話が弾んでいた。 私は人見知りなのに それも感じさせないかのように 普通に、自然に話していた。 そこで私は気になっていたことを聞いてみた。 初「あの、何で私なんかと一緒に帰ろうなんて言ったんですか?」 先輩の顔を覗き込むと きょとん、と言う言葉がぴったりな顔をしていた。 翔「何で、って 友達と帰るのに理由なんかいらないでしょ。 それに俺…… やっぱいいや。」 何を隠しているのかわからなかったけど 恥ずかしそうに笑って前を向いた。 初「言いかけてやめないでくださいよー。」 翔「いや、俺さ… ここに転校する前に学校見学みたいのに来たときに 昇降口のところでバケツいじくってる初歩ちゃん見て ………かわいいなって、 …思ってさ。」 昇降口でバケツ……… 私が先輩にフラれた日だ。 初「そ、そんなとこ見られてたんですか? …恥ずかしいし私、かわいくなんかないですよ。」 翔「いや、かわいいよ、まじで。」 先輩はじっと私の目を見ながら言ってきた。 初「……………え…あ………」 その時ふと目をそらしたら 見覚えのある家が建っていた。 初「あ…私、家ここなんで…」 翔「あーあ、もう着いちゃったんだ。 朝迎えに来ても良い?」 何故私はこの時断らなかったんだろう。 むしろ来てください と言う勢いの返事をして 連絡先を交換して 私は家に入った。
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