出会い

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そしてすぐに先輩は車から降りてきて 私に ほらっ と免許証を見せた。 翔「俺、4月生まれだから もう免許取っちゃったんだよね。 まあ校則違反なのは知ってるけどさ。 16から車運転してたから 運転の腕は多少あるから安心して乗って。」 そう言って笑顔で私の手を引いて 助手席のドアを開けてくれた。 初「…………ほんとに大丈夫なんですか?」 ゆっくりシートに座りながら 恐る恐る聞くと、 先輩は笑いながら 翔「やっぱ俺そんなに信用ないかー、 ま、そうだよね。昨日初めて話したばっかりだし。 やっぱ帰る?」 そう言った先輩の顔が寂しそうで、 私は先輩の気を悪くさせようとして言った訳では無いのをわかってもらいたくて、 初「そうじゃなくて、私が行きたいところ言ってそこに連れてってもらってるときに 事故にあって先輩が怪我でもしたら…」 と言うと先輩は運転席に乗り込んで 翔「なーんだ。そんなことか。 初歩ちゃんと居るときの俺は無敵だから 事故も起こさないし怪我もしないよ。 姫を守るのが俺の役目なんだからさ。」 と笑って言いながら 右手で私の左肩を寄せて 左手で私の頭をくしゃくしゃと撫でた。 また、心臓が大きく跳ねた。 しかも今回は長かった。
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