出会い

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翔「で、どこ行きたい?」 初「先輩のオススメの場所に、行きたいです…。」 翔「あはは、俺こっちに引っ越してきたばっかだからわかんないよー。 そうだなあ、じゃあちょっと遠く行こっか?」 初「遠く?」 翔「うん。俺がよく行くとこなんだけど、 すごい好きな展望台なんだ。 どう?」 初「じゃあ、そこでお願いします。」 翔「りょうかーい。」 そう言って先輩は車を走らせた。 片道1時間半くらいかかるその場所に着くまでも 会話はつきなかった。 そして車は山を登って 山の上の方に来て止まった。 翔「こっから歩いてくよ。」 そう言って先輩は車を降りて 助手席のドアを開けて手を出してきた。 私はなんのためらいもなく 先輩の手を取って 展望台までの階段を手を繋いで上がった。 そこから見た景色は今でも覚えている。 沢山の家が建っている奥に 大きな花畑が広がっていた。 翔「すごいよね、あの花畑。 近くで見てみたいんだけど 行き方がいまいちわかんなくてさ。」 初「あんな花畑が 住宅地のすぐ近くにあったんですね。」 そう感動していると いきなり体がすごい力で引っ張られた。 初「え?あ、あの…先輩…?」 翔「ここね、誰か連れてきたの初めて。」 そう言うと先輩は私を抱きしめる腕に 更に力を入れた。
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