初歩

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先輩が帰ったあとすぐに 私は小石をバケツに入れに 昇降口へ向かった。 あのバケツには いったいいくつ小石が入っているんだろう? 昇降口へ着いても 私はなかなか掃除用具入れに手を伸ばせない。 もし1つも入っていなかったら……… その時は この告白の結果を待っていた愛に 笑いながら話そう。 いいネタになるんじゃないかな。 そんな風に考えながら 掃除用具入れのドアを開けた。 バケツの中に小石は……… ………見えない… 外に出して明るいところで見てみた。 20個くらいの小石が カラコロと音をたてて転がった。 多いのか少ないのか よくわからない数だ。 でも花壇の所には 数えきれないくらいの小石が置いてあった。 少ないのだろう。 もう2月。 夕方になるとかなり寒い。 私はバケツに小石を放り込んで バケツを元の場所に戻し ドアを閉めて 寒さを吹き飛ばそう と、走って帰った。
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