0人が本棚に入れています
本棚に追加
博「早坂のことが好き、です。……付き合って欲しい」
片思いだと思っていた相手からのシンプルな告白は
私のすべてを、停止させた。
呼吸も時間も思考も、すべてが止まったまま動かなくなる。
まだ中学生の私には
受け止めきれないくらいの幸福。
完全に、許容量オーバーだ。
私「……うん」
そう言うのがやっとだった。
私でいいの? とか
ありがとう とか
私も好き! とか
漫画で見たような台詞を言ってみたかったけど
いざ、その現場に立つと、そんなものは見失ってしまい
たとえ思い出せても、言えなかっただろう。
あんなに麻痺した身体で
そんなに沢山の言葉を発音できるほど
私は器用ではない。
博「ありがとう……本当にありがとう、早坂。……大好き」
真っ赤になりながらそう言う彼をみて
言い様のない感情が込み上げた。
私「……私もっ」
最初のコメントを投稿しよう!