彼氏

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博「早坂のことが好き、です。……付き合って欲しい」 片思いだと思っていた相手からのシンプルな告白は 私のすべてを、停止させた。 呼吸も時間も思考も、すべてが止まったまま動かなくなる。 まだ中学生の私には 受け止めきれないくらいの幸福。 完全に、許容量オーバーだ。 私「……うん」 そう言うのがやっとだった。 私でいいの? とか ありがとう とか 私も好き! とか 漫画で見たような台詞を言ってみたかったけど いざ、その現場に立つと、そんなものは見失ってしまい たとえ思い出せても、言えなかっただろう。 あんなに麻痺した身体で そんなに沢山の言葉を発音できるほど 私は器用ではない。 博「ありがとう……本当にありがとう、早坂。……大好き」 真っ赤になりながらそう言う彼をみて 言い様のない感情が込み上げた。 私「……私もっ」
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