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「はっはっはっ、今日はよく来たね。 私は天依 セナ(あまい せな)、桜くんのクラス担任をさせてもらう化学の教師だ。 これからよろしく桜くん、白雪くん」
自己紹介を済ませた天依先生は何かを考える様に片手を顎に置き、白雪を凝視し始めた。
「な、なんですか先生? 私の顔に何かついてますか?」
「いや、すまんすまん。 それにしても、ふむ、桜くんキミの妹君は実に美しい。 この真っ白い滑らかな肌と良い、まさに白雪という名前がぴったりだな」
「ふっ、わかりますか先生。 なんせ可愛い自慢の妹ですからね、どこに嫁に出したって恥ずかしくないですよ。 まっ、そんじょそこらの馬の骨になんかあげませんけどね」
「なっ!? なな、何を急にいってるんですか兄さん! や、やめて下さいよ」
白雪は顔を耳まで真っ赤にして照れている。
この恥ずかしがり屋さんめ。
「ああ、照れてる顔も可愛い…… ふふ、お姉さん食べちゃいたいぐらいだよ。 どうだい白雪くんお姉さんと今度、2人でデートにでも行かないかい?」
「えっ……!」
うお、人の妹に急に何言っちゃってんのこの人!?
食べちゃいたいとか、デートとか!?
白雪が驚きの声を出して一歩後ずさり、今の先生の発言に少し引いている。
さっきまで真っ赤だった顔を今は青白くなっていた。
「す、すいません。 わ、私そっちの趣味は…… あ、ありませんので。 ごめんなさい!」
深く頭を下げて丁重に断る白雪。
「ふむ、それはとても残念だ。 気が変わったら教えてくれ、お姉さん可愛い子からのお誘いならいつまでだって待っているぞ。 なんせ可愛い子が大好きだからな!」
そう言って天依先生は快活にはっはっはっ、と笑い百合宣言をしていたが、白雪は、ははは、と苦笑いをしていた。
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