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声の主は蒼井 白雪(あおい しらゆき)俺の妹である。
俺は扉の向こう側から聞こえてきた白雪の問いかけに、「んん~~~」っと唸って布団の中から眠たげに返事を返す。
ガチャという音とともに扉が開き、部屋に足音が聞こえてきた。
「……えっと、何をしているんですか兄さん? 布団の中にくるまって」
「カーテンから漏れている太陽の光が俺を殺そうと攻撃してくるんだよ。 太陽の光を浴び続けてしまったら、俺が灰になってしまうのを白雪も知ってるだろう?」
「いえ、知らないですけど・・・、なんですかその設定? 吸血鬼ですか兄さんは。 ほら、冗談ばっかり言ってないで起きて下さい兄さん」
そう言って白雪は俺がくるまっている布団をバサァっと強引にはぎ取り、ベットの横にあるカーテンをあけた。
カーテンを開けると、暗かった部屋が太陽の光で満たされ俺や白雪を照らす。
その光でやっと俺は目を覚ます。
「う、うわぁぁぁぁぁぁーーー! 灰になるぅぅぅーーー!」
叫び俺はベットの上で膝を抱えて縮こまる。
「……兄さん、いつまでも遊んでないで早く朝ごはん食べちゃって下さい」
……スルーか、兄さんはちょっと悲しいぞ?
「それじゃ、私は先にリビングに行ってるんで、兄さんも早くきてくださいね。 二度寝したらダメですよ、わかりました?」
「……はい」
白雪が、よしっと満足そうな顔をして部屋を出て行く。
俺は目をごしごしと擦りながらベットから立ち上がって、着替える事にした。
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