プロローグ

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着替えを終えて1階にあるリビングに入ると、食欲をそそる良い香りがした。 俺がイスに座ると、白雪が2人分の食事をテーブルの上に次々と並べ、俺の対面の席に座る。 ふむふむ、今日の朝ご飯はいつもと同じでお米にみそ汁、卵焼き、それに焼き魚まさに朝ご飯の定番って奴か? 俺と白雪は2人で、いただきますと言って食事を食べはじめた。 みそ汁を口に含んである事に気づく。 いつもと味が違う。 いつものみそ汁もうまいがこれはこれで違ううまさだな。 次に卵焼きを食べてみると、これまたうまい。 みそ汁はいつもの味の方がいいけど卵焼きは今日の味つけの方がいいな。 うし、これからはこの味でいってもらおう。 「母さんこの―――っていないし」 いまようやく気付いたが、リビングに母の姿はなかった。 「お母さんなら兄さんが寝てる間に、お父さんと2人で散歩に行っちゃいましたよ?」 いったいどんだけ仲が良いんでしょうねうちの親は。 クリスマスとかにも2人でデートとか行っちゃうしさ、他の家の親もこんなもんなのかねぇ。 ……ん? じゃあこの飯って白雪が作ったのか? 確か、前に白雪の作った飯を食べたときは味が、その、白雪には悪いけどそんなにうまいと思えるものじゃなかったはず。 むしろ不味い方だった。 本人には不味いって言わなかったけどね。
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