6人が本棚に入れています
本棚に追加
「なあ、今日の飯って白雪が作ったのか?」
「はい、そうですけど…… もしかしてその、おいしくなかったですか?」
「いやいやいや、むしろその逆! この卵焼きスゲーうまいよ。なんつーか、いつものにはないふっくら感と、この絶妙な甘さ! 最高にうまいぜ?」
俺がそういって白雪の料理に賛辞を贈ると、白雪は少し頬を紅潮させ照れている。
「ほ、本当ですか? 良かったぁ…… 実はまた失敗したんじゃないかって内心不安だったんですよ? 前に兄さんに作った時、兄さん無理して食べてましたもんね」
「うっ! き、気づいてたのか?」
「はい、兄さんが私の料理食べておいしいよって言った時、気を遣って言ってくれたのバレバレでしたよ? 何年兄妹やってると思ってるんですか、兄さんの事ならなんだってわかりますよ」
そう言ってクスッと可愛らしく笑う白雪。
そうかそうか、バレバレだったか……
なんか白雪に悪いことしちゃったな。
パク、俺はそんな事を思いながら白雪が作ってくれた卵焼きを口に運ぶ。
うん、こりゃホント、マジでうまいな。
前の料理を考えるとスゲー進歩だぜ。
「なあ、これってどうやって作ったの?」
箸で卵焼きを指しながら白雪に聞く。
「これはですね、お母さんに教わったのをすこしアレンジを加えて、砂糖を多めにしてマヨネーズを加えたんです。 マヨネーズには油も入っているので焦げないしふっくらなるんです。 ここまで作れるようになるのけっこう大変だったんですよ?」
「そっか、さすが白雪。 頑張ったんだな、エライぞ」
そう言って俺はニッと笑ってイスから立ち上がり、白雪の頭に手を置き優しく撫でてやる。
すると白雪はまたもや顔を紅潮させ、俯いてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!