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「に、兄さん、あの、もう子供じゃないんですから、あんまり子供扱いしないで下さい…… その、恥ずかしいです……」
子供じゃないんですから、か。
白雪も大きくなったもんなぁ、でも妹が頑張ったのを兄が褒めるのは当り前の事だと思うんだよな。
なんかわからんけど、兄妹ってそう言うもんじゃん?
俺は恥ずかしがる白雪から手をどかしてわるいわるいっと謝った。
手を頭からどかしてやった白雪は、まったくもう、兄さんは、と言って食事を食べ始めた。
俺も白雪に続き食事を再開するのだった。
朝の食事を食べ終えた俺は、2人分の食器を洗い自分の部屋に戻ろうとした時、部屋に戻ったはずの白雪が明日から通うはずの学校の制服に着替え戻ってきた。
「あっ、兄さん、片づけありがとうございます」
「んっ、まあそれはいいんだけどさ……、何で学校の制服に着替えてんの?」
白雪は頭に疑問符を浮かべ、当然のように言った。
「えっ? 何でって学校に行くからに決まってるじゃないですか」
……学校? そういえば昨日白雪から『新しい学校から良かったら見学に来ませんか? と、電話が来てましたので、兄さん一緒に行きませんか?』って、妹からの学校デートのお誘いを受けた気がするぞ。
うんうん、思い出した思い出した。
「兄さん…… もしかして、忘れてました?」
「は、はは、そんな事ないぜ? マイシスター」
「そうだと良いんですけどね…… はぁ」
そう言って白雪は少しあきれ顔でため息をついた。
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