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自分の部屋に戻って制服に着替え、俺は部屋から出ようとドアノブに手をかけた時に大切な事に気づく。
俺はベットに近づき、枕元に置いてあるビーズで出来たブレスレットのアクセサリーを手首にしっかりと着けて、今度こそ部屋から出た。
数分後、これから歩いて行く事になるだろう通学路を歩いて、学校に向かっている途中だった。
「兄さんは何か部活とかに入る予定はあるんですか?」
「んー? 部活? あるよ、入りたいの」
「えっ、本当ですか兄さん!? 珍しいですね、兄さんが何か部活動に興味をもつなんて!」
「そうか? まあ、なんだ。 せっかく新しい学校に来たんだから気持ちも切り替えて行こうと思ってさ」
「へ~、とても良い心構えだと思います。 ところで何の部活に入るんですか? 兄さんもやっぱり男の子ですからスポーツとかですか?」
俺は得意げに笑い白雪に言う。
「帰宅部に入ろうと思う!」
「・・・・・・すいません兄さんに聞いた私がバカでした。やっぱり兄さんは兄さんですね」
ニッ、っと笑い俺は白雪にも同じ質問を返してみた。
「そう言う白雪は何か部活に入らないのか?」
「う~ん、そうですね、一応入りたい部の候補はありますけど、見学してから決めようと思ってます」
「そっか、まっ、決まったら教えてくれよ」
「はい。 あっ、兄さん見えてきましたよ」
そう言って白雪が地図から目を離し指さした方には、目的地の学校があった。
学校に到着するとまず俺と白雪は職員室を目指すことにした。
生徒玄関から入りスリッパに履き替え、少し歩いたところで聞いてみる。
「ところで職員室ってどこにあるか分かるのか?」
「あっ、そうでした。 場所…… わかりませんねどうしましょう?」
うーん、と困った顔をして考える白雪。
「とりあえず適当に歩き回って探すってのはどうだ? それに誰かここの生徒でもみかけたら聞けばいいしさ」
「ん、そうですね、そうしましょうか兄さん」
その時、まるでタイミングでも見計らってたかのように1人の生徒が“食堂”とプレートが飾られた部屋から出てくる。
とても空気の読める男である。
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