日常

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「そろそろチャイムが鳴るから早く行こう!」  河村が言うと俺達3人は昇降口へと向う。  この高校の昇降口と正門は向かいの関係。  つまり正門にいれば昇降口を見る事が可能で、逆に昇降口から正門を見る事が可能。  ただ真っ直ぐ歩めば次第に昇降口へと着く事が出来る。  正門を通り過ぎると右手には体育などで使うとても広いグラウンドがある。  左手には教師達が止める車の駐車場やテニスコートがある。  校舎の裏側にはバスケ部なども使う大きな体育館がある。  俺達が歩いているこの道の両脇には等間隔で並べられた大きな木々があり、春になるとその木々は満開の桜を咲かせる。  その桜は見るたびに綺麗で美しいと思わせてくれる。  しばらく歩いていると昇降口へと着く。  昇降口には何人かの教師が腕を組みながら立ち詰めしていた。  白色の小さい正方形の靴箱があってその靴箱には自分の名前が小さく書かれている。そこにローファなどを入れるという仕組み。  上履きを取ると小学生の頃の上履きをいつも思い出す。  周りはグレー色で踵(かかと)部分と爪先部分が青色のダサい上履き。  似ているのではなく同じ。  昇降口で上履きを取るなり俺達は教室へと向かう。  1階は3年生の教室、2階は職員室や理解室などがある場所で、3階は2年生の教室、4階に1年生の教室がある。  朝から階段を登る事が面倒くさいと思う俺にとっては嫌気が生じる。  俺は溜め息をして4階の教室へと面倒くさがりながらも向かう。
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