日常

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「そうか……ありがとう中田」  三沢はニコッと笑顔になって中田の肩をポンと優しく叩く。  そして次第にこのクラスの担当『宮本先生』が教室に入ってきた。  やはり元気というか顔色が非常に悪いように見える。 「みんな……今日の終業式は中止になった。このまま帰宅してくれ……。個人だと万が一の事を考えて集団で帰ってくれ」  宮本先生のこの言葉には驚きを隠せない。  宮本先生の顔は蒼白になり今にも泣き出してしまいそうだった。 「何か手がかりを見つけた人は学校の方に素早く電話を掛けてくれ……」  この言葉を最後に1学年2学期の学校生活を終えた。  それはあまりにも悲しい終業式となってしまった。  SHRが終わり宮本先生は素早く教室を立ち去った。  先生が去った教室は『悲しみと不安』に満ちていた。  時間が経つにつれ徐々に生徒は教室を出始めた。  そして……この教室にいるのは俺、三沢、中田、河村、本田の5人だけとなった。
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